燃料電池は、第4期科学技術基本計画、文部科学省「科学技術白書」(2012年度版)グリーンイノベーション関連技術、NEDO「エネルギーイノベーションプログラム」など、燃料電池実用化・普及は我が国の政策的課題として、資源・エネルギーの乏しい、環境問題を抱える我が国の将来の持続的発展と社会生活を支える先進技術として大いに期待されています。
燃料電池の中でも、固体高分子形燃料電池は、高出力密度、低音作動等の特徴をいかした燃料電池自動車、定置コージェネレーションシステム、可搬電源、情報機器用電源、非常災害時電源等としての本格普及が期待されています。我が国は、家庭用燃料電池を世界に先駆けて商用化する等、着実に固体高分子形燃料電池に関する研究成果をあげてはいますが、2020年から2030年の燃料電池自動車の本格的商用化に向けて、あるいは、我が国の国際競争力強化の観点から、耐久性・信頼性の向上に加え、低コスト化など、燃料電池技術開発は我が国が解決すべき喫緊の社会的最重要課題の一つと位置づけられています。
次世代の燃料電池用新型触媒の合理的設計・開発を妨げているのは、燃料電池触媒の構造、機能、触媒作用の本質が依然としてブラックボックスのままで科学的によく分かっていないことにあります。実燃料電池触媒系に対し、活性金属(Pt等)の局所構造解析及び電子状態解析をin situ下、原子レベルで行える唯一の手法はX線吸収微細構造(XAFS)法です。また、元素選択的です。
本センターは、SPring-8に建設した世界オンリーワン・世界最高性能のBL36XU新ビームラインを用いて、in situ XAFS、時間分解XAFS、空間分解XAFSにより、次世代燃料電池技術開発とそれによる我が国の産業の活性化を重要な使命と位置づけています。
平成22年5月1日から令和7年3月31日
職名 | 氏名 | フリガナ | 専門分野 | |
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センター長 | 特任教授 | 岩澤 康裕 | イワサワ ヤスヒロ | 物理化学、触媒・資源化学プロセス |
特任准教授 | 三輪 寛子 | ミワ ヒロコ |
燃料電池・水素イノベーション研究センター 事務室(東6号館308号室)