平成26年度オープンラボ 模擬講義
時間 | 14時30分から15時20分 |
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会場 | 東6号館 3階 337号室
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講師 | 佐々木 成朗(先進理工学専攻 応用物理工学コース 教授) |
内容 |
摩擦はピラミッドの時代から知られているありふれた現象です。しかし摩擦が原因で生じる経済損失は十数兆円にも達し、エネルギー・経済問題に大きな影響を与えるため、摩擦を小さくする方法の探索は省エネルギーの観点から産業上の要請です。一方、原子・分子の世界では体積に比べて表面の効果が著しく増大するため、物体の運動は摩擦に強く支配されるようになります。従ってナノテクノロジーで微細構造を作製しても、その運動は摩擦で阻害されてしまいます。 最近私達は、炭素原子で出来た分子のボールをビー玉のように転がして、摩擦をゼロの極限まで小さくする省エネルギー分子機械(分子ベアリング)の開発を進めています。本講義では私達の摩擦計測および超低摩擦条件探索の研究を紹介すると同時に、摩擦の科学がナノテクノロジー、バイオ、環境分野を横断する新しい分野を切り拓く大きな可能性を秘めていることをお話しします。 |