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国立大学法人 電気通信大学

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教員紹介

産総研連携研究室

福田 賢一郎 連携教授

研究目的

工場など産業の現場だけでなく日常生活も支援してくれるAIの実現は人類の大きな夢ですが、まだなかなかうまくいっていません。日常生活空間では人や物、その間の相互作用や状態の変化など、非常に個別性の高いさまざまな要素が多重層的に組み合わさってしまいます。例えば、家庭用汎用ロボットであれば以下のような知識の処理が求められるでしょう。

  • 1)住人の身体的特徴や室内環境に関する知識
  • 2)住人の行動や意図・目的に関する知識
  • 3)怪我をさせないための人体に関する一般的な知識、事故事例との関連、安全ガイドライン
  • 4)提供する支援サービスに関する知識
  • 5)一般的な常識知識
人間であれば自然に組み合わせて理解・活用できる知識をAIシステムも利用できるようにするために、長期間(複数時空間)に渡る動画像や自然言語など、質・量・モダリティが異なる情報を結びつけて、AIシステムの推論・認識プロセスに組み込むための研究が必要になります。データ駆動型AIと知識駆動型AIを統合し、人間活動の背景や意味を理解するAI技術の開発を目指しています。

具体的な研究内容

上記の研究目的を実現するために、主に知識グラフ、大規模言語モデルの利活用、XAI、対話システム、情報検索、情報抽出に関する研究を実施しています。
また、Unityシミュレータ(VirtualHome2KG)を用いてアバターに日常生活行動を取らせた動画と、その動画内で起きているアバターと環境の相互作用が、連続する時空間系列で変化する様子を記述した知識グラフの対をデータセットして公開し、生活リスクを推論するAIシステムの性能を競うコンテスト「ナレッジグラフ推論チャレンジ【実社会版】」を開催しています。また、そのようなAIシステムに関する研究を実施しています。

教員からのメッセージ

本務の産業技術総合研究所 人工知能研究センターは国が設置した3つのAI研究開発拠点の1つで、お台場にあります。配属される学生は必要に応じて技術研修生としてABCIなど産総研のAI用大型計算機資源を研究に活用できます。人間の知識・知的振る舞いに興味のある学生を広く歓迎します。大須賀・田原・清研究室と連携して学生の皆さまと研究できることを楽しみにしています。

参考文献・参考実装

[1] Imrattanatrai, Wiradee, Ken Fukuda. End-to-End Task-Oriented Dialogue Systems Based on Schema」. Findings of the Association for Computational Linguistics: ACL 2023, 2023, 10148–61.
新しいウィンドウが開きます https://doi.org/10.18653/v1/2023.findings-acl.645
[2] Egami, Shusaku, Takanori Ugai, Mikiko Oono, Koji Kitamura, and Ken Fukuda. “Synthesizing Event-Centric Knowledge Graphs of Daily Activities Using Virtual Space.” IEEE Access 11 (March 8, 2023): 23857–73.
新しいウィンドウが開きます https://doi.org/10.1109/ACCESS.2023.3253807
[3] Htun, Swe Nwe Nwe, Shusaku Egami, and Ken Fukuda. “A Survey and Comparison of Activities of Daily Living Datasets in Real-Life and Virtual Spaces,” January 1, 2023, 1–7.
新しいウィンドウが開きます https://doi.org/10.1109/SII55687.2023.10039226