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国立大学法人 電気通信大学

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お知らせ

【報告】第20回「日本学術振興会賞」の受賞を祝する会を開催

2024年03月21日

新竹純准教授(機械知能システム学専攻)および丹治はるか准教授(レーザー新世代研究センター)が、第20回(令和5(2023)年度)「日本学術振興会賞」を受賞し、2024年3月18日(月)本学にて報告会が開催され、受賞を称えて田野学長より2名へ表彰状と金一封が授与されました。

日本学術振興会賞とは

日本の学術研究の水準を世界のトップレベルにおいて発展させるために、創造性に富み優れた研究能力を有する若手研究者を、早い段階から顕彰してその研究意欲を高め、研究の発展を支援することを目的に平成16(2004)年度に創設された賞です。

本賞は人文・社会科学および自然科学にわたる全分野にて、原則45歳未満の博士もしくは博士相当以上の学術研究能力を有する者であり、国内外の学術誌等に公表された論文、著書、その他の研究業績により学術上特に優れた成果を上げたと認められた研究者に授与される賞であり、受賞者数は毎年度25名以内とされています。

授賞理由

新竹 純 准教授
材料に機能を付加するという独創的なアプローチにより、ソフトロボティクス(柔らかい材料でロボットを作る技術)への貢献が高く評価され授賞となりました。
駆動装置として従来から着目されていた高分子アクチュエータは低出力という課題を有していましたが、新竹准教授は電気で動く高分子アクチュエータ材料に静電接着性、剛性可変性、折り畳み性等の機能を付加することで高出力な人工筋肉を開発しました。これをグリッパーや飛行ロボットに応用することで、ソフトロボティクスへの高い有効性を実証した研究成果は世界的に注目されています。また、可食・生分解性の高分子材料を用いたロボットシステムという概念と、材料に機能を付加するという実現手段の確立には共に高い独創性が認められております。その他、国内のみならず米国の特許も取得しており、高い社会的波及効果も期待され、海外研究機関との共同研究や海外プロジェクトへの参画も盛んで、当該分野で世界をリードする研究者として、今後も更なる発展が期待されております。

丹治 はるか 准教授
光子の量子状態を物質との相互作用を通じて自由に操る量子制御は、将来の量子ネットワーク構築に向けた基盤技術として活発に研究されており、丹治准教授は、共振器中の真空場の存在により本来は不透明な物質中を光が透過する、真空場誘起透明化と呼ばれる現象の観測や、それに伴う光パルス速度の大幅な減速の実証に成功しました。
また、極低温原子集団中のマグノン状態の単一光子への転換を行うとともに、その技術を応用し、離れた原子集団間でのマグノンの伝送や、原子集団間での量子もつれ状態の生成にも成功しております。さらに、これらの研究を進め、単一光子によって別の光子集団を制御する全光型スイッチ及びトランジスタを実験的に確認するなど、将来の量子ネットワークの礎となる可能性を有するインパクトの高い技術開発を行っており、丹治氏の先進的な技術開発および新奇な現象の観測は、量子制御の新たな可能性を拓くものであり、今後の更なる発展や波及効果が期待できることから今回の授賞となりました。

集合写真

左から:小花理事(研究・産学官連携戦略担当)、丹治准教授、新竹准教授、田野学長

新竹 純 准教授

表彰状

表彰状

日本学術振興会賞 表彰状および副賞(メダル)

日本学術振興会賞 表彰状および副賞(メダル)

丹治 はるか 准教授

表彰状

表彰状

日本学術振興会賞 表彰状および副賞(メダル)

日本学術振興会賞 表彰状および副賞(メダル)