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杉本隆平さん(Ⅰ類(情報系)4年)が独立行政法人情報処理推進機構(IPA)2025年度未踏IT人材発掘・育成事業に採択

2025.08.26

杉本隆平さん(Ⅰ類(情報系)情報数理工学プログラム4年)が提案したプロジェクトが、IPA主催の2025年度未踏IT人材発掘・育成事業に採択されました。
未踏IT人材発掘・育成事業は、次世代ITの先進分野に挑む人材を対象に、特定テーマに基づくプロジェクトを通じて育成・支援を行う人材育成事業です。
採択されたプロジェクト『超小型ピンアレイによるポータブルな形状提示装置』は、手のひらでリアルタイムに"形"を感じることができる、携帯性に優れた新しい触覚ディスプレイの開発を目指すものです。

背景

より直感的な情報体験へ
私たちが普段、物の形に手で触れて使い方を理解するように、物理的な形状は情報を直感的に伝える上で重要な役割を果たします。この原理を応用し、コンピューター上の情報を物理的な形状として出力する「形状提示ディスプレイ」が、VR/AR(仮想現実/拡張現実)や遠隔操作の分野で注目を集めています。
しかし、従来のディスプレイは大型で持ち運びが難しく、ピンとピンの間隔も広いため、人間の手のひらが持つ繊細な感覚を十分に満たすことができず、微細な形状を表現するには限界がありました。

提案手法

高密度な触覚体験を、手のひらサイズで
この課題を解決するため、杉本さんはスマートフォンサイズの筐体に、従来比で約3.6倍もの高密度なピンを配置したポータブル形状提示ディスプレイを提案しました。

本プロジェクトの主な特徴は以下の通りです。

  1. 高精細な触覚提示:ピンの間隔を4mmまで狭めることで、人間の手のひらの解像度に迫る、これまでになく滑らかで高精細な形状の表現を可能にします。
  2. 優れた携帯性:直径4mmの超小型モーターと独自の制御技術を採用し、厚さ約5cmのスマートフォンサイズというコンパクトな設計を実現。いつでもどこでも豊かな触覚インタラクションを可能にします。
  3. 高い拡張性:ピンを駆動するモジュールは連結可能で、複数台を組み合わせることで壁一面を覆うような巨大な触覚ディスプレイを低コストで構築することもできます。将来的には、ピンを球面上に配置し、全方向から触れるデバイスへの応用も視野に入れています。

詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。

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