2025.11.11
下記の通り、第124回研究セミナーを本学とオンラインでのハイブリッド形式で開催いたします。是非ご参加くださいますよう、よろしくお願いいたします。
小児弱視は世界中で約3%の子どもに発症する視覚発達障害であり、早期治療が重要な人類共通の課題です。電気通信大学国際社会実装センターは、この課題に対してタブレット型視機能訓練装置「オクルパッド(Occlu-Pad®)」を開発しました。
オクルパッドは、両眼を開放したまま弱視眼のみを選択的に刺激するゲーム型訓練システムです。従来の眼帯治療と異なり、非接触型であるため結膜炎などの副作用がなく、治療コンプライアンスが有意に高く、視機能の回復も有意に早いことが臨床試験で実証されています。ゲームを通じて楽しみながら訓練できるため、特に幼児の治療継続率が大幅に向上しました。本装置はクラスⅠ医療機器として承認され、保険適用および診療ガイドライン掲載を経て、全国の病院・クリニックに普及しています。
開発においては、東日本大震災被災企業との協業により製造体制を構築し、地域産業振興にも貢献しました。また、「たまごっち」「ファミコン」「ゲームボーイ」を生み出した横井軍平氏が創設したゲームデザイン企業と連携し、医療機器にゲームの楽しさと継続性を組み込む新領域を確立しました。さらに、幼児の触覚学習を促す導電性ブロック「Tangi-block」を併用することで、視覚と触覚を統合した訓練システムを実現しました。
国際展開として、インドとウズベキスタンで臨床試験を実施中です。各国の医療環境や文化的背景に応じた治療プロトコルを検証し、低コストで効果的な視覚リハビリテーションモデルの構築を進めています。
本セミナーでは、本学発の医工学研究が、産学医連携を通じて実用化から国際展開に至った過程を紹介します。ゲーム技術と医療機器を融合させた新しい治療アプローチが、従来法の限界を克服し、世界の小児眼科医療に貢献する可能性について報告します。
| 第124回 CNBEセミナー | |
|---|---|
| 開催日時 | 2025年11月25日(火)13時00分~14時30分 |
| 開催方法 | 東3号館306教室+Zoomによるハイブリッド形式開催 |
| 題目 | ゲーム型医療機器による小児弱視治療:オクルパッドの開発と国際展開 |
| 講師 | 石垣 陽(共創進化スマート社会実現推進機構/国際社会実装センター/共同サステイナビリティ研究専攻 特任教授) |
| 司会 | 小池 卓二(脳・医工学センター/機械知能システム学専攻 教授) |
| 費用 | 無料 |
| 申し込み方法 | 下記フォームから申し込みをください。 ※お申込みいただいた方の登録メールアドレス宛に、Zoomミーティングのリンクが送信されます。 |
| 問い合わせ窓口 | 脳・医工学研究センター 事務局 メールアドレス: cnbe-secretary-group@gl.cc.uec.ac.jp |
詳細は、以下のウェブサイトでご確認ください。