2024.01.23
本学が代表機関を務めるデータアントレプレナーコンソーシアムは、データアントレプレナーフェロープログラムの一環として、特別セミナー「デザイン思考とデータサイエンス」を開催いたします。
データサイエンティストという職種が広く知られるようになって10年が過ぎました。最近は画像生成やテキスト生成を中心に、AI技術が目覚ましく進歩しています。しかし、技術を価値に変えること、「何に活用するか?」を考えることはAIにはまだ難しく、人間が考える必要があります。このような新たな価値創出の担い手として、データ関連人材への期待は高まっています。
こうした新しい技術の活用において「AIで我が社の業務をよくしたい」のように曖昧な課題があらわれたとき、これらの課題解決のためには「定義された課題を解決する」という古典的な技術力だけではなく、同時に創造性も求められてきます。デザイン思考とは、このような曖昧な問題に対処するための方法論として発展してきたもので、技術者がこれらの問題に対処する能力を体得することは有意義であると考えられます。
本セミナーでは、そのような背景から本学に新たに開設された教育プログラム「デザイン思考・データサイエンスプログラム」の教員から、デザイン思考とデータサイエンスを組み合わせることの意義について講演します。変化の激しい現代に適応できる技術者とはどのような人材か、考える一助になれば幸いです。
デザイン思考やデータサイエンスに関心のある社会人、教職員、学生の方など是非ご参加ください。
特別セミナー「デザイン思考とデータサイエンス」 | ||
日時 | 2024年1月30日(火曜日)16時00分から18時00分 | |
会場 | オンライン会場(Zoomウェビナー)
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主催 | データアントレプレナーコンソーシアム (代表機関:国立大学法人電気通信大学) |
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対象 | デザイン思考やデータサイエンスに関心のある社会人、教職員、学生 | |
参加費 | 無料 | |
定員 | 200名(定員先着順) | |
プログラム | 第1部:挨拶 | |
16時00分から 16時20分 |
電気通信大学におけるデータサイエンス教育について 西野 哲朗(データアントレプレナーコンソーシアム会長/情報学専攻 教授) |
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第2部:講演 | ||
16時20分から 17時00分 |
![]() 西野 哲朗(情報学専攻 教授) |
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17時00分から 17時40分 |
![]() 原田 慧(情報学専攻 教授) |
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第3部:終わりに | ||
17時40分から 18時00分 |
電気通信大学『データアントレプレナーフェロープログラム』紹介 原田 慧(情報学専攻 教授) |
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問い合わせ窓口 |
データアントレプレナーコンソーシアム事務局 |
西野 哲朗(情報学専攻 教授)
1984年、早稲田大学大学院理工学研究科数学専攻博士前期課程修了。'84年、日本アイ・ビー・エム入社。東京基礎研究所研究員。'87年東京電機大学助手。'92年北陸先端科学技術大学院大学助教授。'94年電気通信大学電気通信学部電子情報学科助教授。'99年同情報通信工学科助教授。'06年同教授。'10年改組により情報理工学研究科教授。'20年より同研究科長。電子情報通信学会ソサエティ論文賞('02年)IBM Faculty Award('08年)文部科学大臣表彰科学技術賞('10年)など受賞。主な著作に『P=NP? 問題へのアプローチ』(日本評論社)『量子コンピュータと量子暗号』(岩波書店)『図解雑学・量子コンピュータ』(ナツメ社)『デザイン思考に基づく新しいソフトウェア開発手法 EPISODE』(コロナ社)など。
変化の激しいビジネスの現場では、常に新たな価値の創造が求められています。デザイン思考はこの問題に体系的に取り組むための方法論として、シリコンバレーで創始され発展してきました。本講演では、デザイン思考とデータサイエンスを組み合わせる実践的な方法論を紹介します。具体的には、アジャイル開発の手法を取り入れながら開発者がアイディア出しを行う、デザイン思考によるシステム開発手法EPISODEについて解説します。
原田 慧(情報学専攻 教授)
2011年、名古屋大学大学院多元数理科学研究科博士後期課程修了。同年株式会社金融エンジニアリング・グループに入社。コンサルタントとして主に金融機関向けのデータ分析を担当しつつ、技術開発や社内外の人材育成に従事。2015年のKDDCUPでは親会社との合同チームをリードし準優勝。株式会社ディー・エヌ・エーでデータサイエンティストのマネジメントや新規AI案件の開拓に従事。2023年4月より本学教授に着任。博士号(数理学)取得。Kaggle Masterの称号を取得。
現場のデータサイエンティストとしての12年のキャリアの中で感じてきた、データサイエンティストのあり方の変化について、特に「何でもできるスーパーマン」という期待に対して、どのようにチームで解決してきたのかについて述べます。その上で、データサイエンティストの思考法とデザイン思考の親和性について紹介し、しばしば曖昧になり、不足していると言われがちな「ビジネス力」とデザイン思考の関連性について紹介します。