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国立大学法人 電気通信大学

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お知らせ

【ニュースリリース】地域住民による子どもの防犯活動を支援する「ながら見守り活動支援システム」の試験運用を開始

2023年07月26日

概要

山本佳世子研究室(情報学専攻/共同サステイナビリティ研究専攻)は、地域住民による子どもの防犯活動を支援する「ながら見守り活動支援システム」(以下、本システム)を開発しました。
この度、「特定非営利活動法人 こども・みらい・わこう」(以下、こども・みらい・わこう)の協力のもと、こども・みらい・わこうの活動地域である埼玉県和光市を対象として、本システムの試験運用による実証実験を行うこととなりました。今回の実証実験を通して、多くの地域住民の方々に持続的な「ながら見守り活動」への参加を促進し、子どもの防犯に貢献できるシステムの開発を目指します。

研究の背景

近年、日本において子どもが被害者となる犯罪の発生状況は横ばいで推移しており、地域住民による子どもへの見守り活動が対策として重要になっています。地域住民の高齢化等による見守り活動の担い手不足が深刻化する中、日本政府が策定した「登下校防犯プラン」によると、地域住民が通勤や買い物といった日常生活の中で子どもたちの見守りを行う「ながら見守り活動」の推進や、地域住民の見守り活動を危険個所において優先的に行うこと等、地域住民による見守り活動のさらなる効率化・活性化が求められています。
山本佳世子研究室では、以上の社会的背景を踏まえ、地域住民の方々による「ながら見守り活動」を促進し、子どもの防犯への貢献を目的としたシステムを、Web-GISを基盤に開発しました。

本システムの概要

ユーザは自身のスマートフォンで本システムにアクセスし、無料で利用することができます。本システムの「ながら見守り活動画面」では、デジタル地図上で市内各所に設定された「見守りが必要なエリア」を確認することができます。スマートフォンを携帯し「見守りが必要なエリア」に移動することで、ながら見守り活動を実施した場所と時間がシステムに自動的に記録されます(図1)。ながら見守り活動を行ったユーザは「スコア(貢献度)」を獲得することができます。自身のスコアやユーザ間でのランキングを確認することで、自身の地域内での子どもの防犯に対する貢献度を可視化することができます(図2)。

ながら見守り活動画面

図1:ながら見守り活動画面

スコア・ランキング確認画面状

図2:スコア・ランキング確認画面

埼玉県和光市での試験運用開始

子どもたちが幸せにくらせる社会をめざし、子どもたちの伸びやかな育ちと安全を守る地域づくり・まちづくりを活動の目的とする「こども・みらい・わこう」の協力連携のもと、本システムの試験運用を埼玉県和光市で開始しました。和光市在住の市民および和光市へ通勤される方を対象ユーザとし、2023年12月31日まで本システムの試験運用を行います。今回の試験運用を通し、本システムの有効性や課題点を整理することで、本システムのさらなる改善と社会実装を目指します。

おわりに

本システムは、埼玉県和光市在住の市民および和光市へ通勤される方を対象として現在試験運用中です。ご関心のある方は以下アクセスURLより是非ご参加ください。

[本システムの試験運用アクセスURL(スマートフォン用ページ)]

(論文情報)
Ichiu INOUE and Kayoko YAMAMOTO (2023) Development of Activity Management System to Watch over Children. Proceedings of the 37th International Conference on Information Networking (ICOIN 2023), 212-217.

(用語説明)
Web-GIS:位置や空間に関する情報をもったデータ(空間データ)を総合的に管理・加工し、デジタル地図上への視覚化を可能にするGIS(Geographic Information Systems: 地理情報システム)を、インターネットを介して利用できるようにしたもの。

詳細はPDFでご確認ください。