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国立大学法人 電気通信大学

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イベント情報

総合コミュニケーション科学学会 第2回シンポジウム【10月21日ハイブリッド開催】

2023年09月08日

自然と人と社会が複雑に絡むこの世界を貫く普遍的な機能は「コミュニケーション」であるとの考えから、多様で複雑な社会の課題の本質に迫るため、専門分野や立場を超えて「コミュニケーション思考」を共通の手段とする「総合コミュニケーション科学」が提唱されました。
近年、拡大の一途をたどる種々の格差や分断は、文科系と理科系、官と民、アカデミズムと社会・市民などを隔てる壁の解消を必要としています。
そのためには、壁に潜在する問題の本質を理解し、「総合コミュニケーション科学」が唱える「コミュニケーション思考」によって、科学技術の総合的融合を目指す必要があります。2022年3月25日、上記の考え方を共有する有志が集い「総合コミュニケーション科学学会」を設立し、1年が経過しました。

2023年10月21日(土)には、第2回シンポジウムを開催致します。この1年の活動を振り返りつつ、改めて、総合コミュニケーション科学とは何か、未来社会創造にどのように活かせるのか、未来社会創造と総合コミュニケーション科学の重要性と実践について、ご講演と議論を深めたいと思います。

総合コミュニケーション科学学会 第2回シンポジウム「未来創造と総合コミュニケーション科学」
日時 2023年10月21日(土曜日)13時00分から17時40分
開催方法 新C棟103教室およびZoomによるハイブリット開催
参加費 無料
主催 総合コミュニケーション科学学会
共催 キャンパスクリエイト
後援 国立大学法人電気通信大学、一般社団法人コラボ産学官、一般社団法人スーパー連携大学コンソーシアム
プログラム 総合司会
ウィクラマナヤカ ニプン ラビンドゥ 氏(東京大学大学院博士課程)
13時00分から
13時05分
挨拶
林 大樹 氏(総合コミュニケーション科学学会 会長)
13時05分から
13時15分
来賓挨拶
大家 万明(経営・広報戦略担当 理事)
13時15分から
14時25分
(1)基調講演とディスカッション
テーマ:「総合コミュニケーション科学は科学になり得るか?」
講師:梶谷 誠 氏(総合コミュニケーション科学提唱者/学長顧問)
モデレータ:久野 美和子(第2回シンポジウム実行委員長/産学官連携センター 客員教授)
14時25分から
15時15分
(2)招待講演とディスカッション
テーマ:「2050年の未来に向けて、今思うこと」
講師:浦島 邦子 氏(文部科学省科学技術 学術政策研究所科学技術予測・政策基盤調査研究センターフェロー 工学博士)
15時25分から
16時15分
(3)講演とディスカッション①
テーマ:「ヒューマンとAIの共創に向けて~妖精・妖怪の復権」
講師:南 泰浩(人工知能先端研究センター長/情報・ネットワーク工学専攻 教授)
16時15分から
16時55分
(3)講演とディスカッション②
テーマ:「災害時における発達障害児にとっての避難所のあり方についての考察と実践事例」
講師:嶋田 浩一 氏(NPO法人ちょうふの風)
16時55分から
17時35分
(3)講演とディスカッション③
テーマ:「デジタルプラットフォーム戦略と異分野連携コミュニケーションの必要性」
講師:廣瀬 弥生 氏(東洋大学 情報連携学部 教授)
17時35分から
17時40分
閉会挨拶
久野 美和子
お申し込み お申し込み締め切り:2023年10月15日(日)
※お申し込みの方には、学会シンポジウム実行委員会より、会場やZoomのご案内をお送りします。
※会員の方には、本学会のメーリングリストでお知らせします。
問い合わせ窓口 総合コミュニケーション科学学会実行委員会
メールアドレス:miwako-kuno@nifty.com または linshimada0726@gmail.com

今回紹介する講演概要

「総合コミュニケーション科学は科学になり得るか?」

2008年に電気通信大学が「総合コミュニケーション科学」を提唱して以来15年が経ちました。2022年には、電通大から飛び出そうと学会が設立されました。しかし、この概念の広がりは遅々としています。それは、総合コミュニケーション科学」という概念はなんとなく理解できるけどそれが具体的にわれわれの活動にどう貢献できるのか曖昧模糊としているからではないでしょうか。そもそも、「総合コミュニケーション科学」とは何か?科学と称するにする根拠はあるのか?科学と言えるためには何をしなければならないのか?学会存続の基盤に関わる根本課題を敢えて俎上にあげて、皆さんと議論してみたいと思います。

「2050年の未来に向けて、今思うこと」

わが国では1971年から科学技術予測調査を実施しており、50年以上の歴史を持つことから、どういった技術がいつ実現したか/しなかったかということを評価できる、世界で唯一の国です。過去にはどういった技術が検討され、未来にはどういう社会を創造するのが望ましいかといったことを、これまで実施した11回の科学技術予測調査結果を踏まえて解説します。

「ヒューマンとAIの共創に向けて~妖精・妖怪の復権」

総合コミュニケーション科学は、人・モノ・社会・自然の間で円滑なコミュニケーションを行い、社会に存在するさまざまな境界線を超えようという考え方です。講演者は、NTTにおいて環境知能という同じような考え方を提案していました。この考え方では、コミュニケーションを媒体する存在を妖精・妖怪というメタファで呼んでいます。昔、人々は、社会や自然の中で理解しづらい概念を妖精・妖怪の存在をつかって理解しようとしていました。例えば、河童は、川や湖の恐ろしさを子供たちに伝えるために、コナキ爺は、地震の前兆を知らせるために、使われてきました。環境知能では、コミュニケーションを媒介するAIを妖精・妖怪ととらえ、50年後のAIとの共生する社会を描いてきました。本講演では、現在の状況でもまだまだ実現されていない、当時思い描いていたAIが共生する社会をご紹介するとともに、現在の状況から予想される人々とAIとが共創する社会についても述べていきます。

「災害時における発達障害児にとっての避難所のあり方についての考察と実践事例」

日本は災害大国と言われており、外国に比べても台風、大雨、地震、火山噴火などの自然災害が発生しやすくその被害も大きな国です。そうした背景の中、避難を余儀なくされた【要配慮者】とりわけ【発達障害児】にとって『避難所』はどうあるべきかについての考察と、その実現に向けた実践事例を「コミュニケーション思考」の観点から紹介します。

「デジタルプラットフォーム戦略と異分野連携コミュニケーション の必要性」

今、国内では、どこもかしこもデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業が増え、DXがバズワード化する傾向にあります。しかし、デジタル業界で最も着目すべきことはグローバルプラットフォーム戦略です。
講演では、現状日本企業が留意すべきグローバルプラットフォーム戦略について述べ、その後戦略実現に必要な異分野コミュニケーションのあり方についてご議論頂きます。